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新型コロナウイルス感染症対策について 第二次緊急要望

5月27日に山形県知事に対して行いました要望活動について、以下記載いたします。

新型コロナウイルス(COVID‐19)感染症対策に関する第二次緊急要望事項

1 新型コロナウイルスと共生(withコロナ)による「山形モデル」の構築について
 新型コロナウイルス特別措置法に基づく緊急事態宣言の対象が解除され、今後は各都道府県の感染症対策に対する責任と独自性が一層求められると考える。
 この点、上記特措法に基づく知事権限が発揮されない状況下で、如何に県民の安心安全及び経済活動の回復・発展を図るかが重要であり、緊急事態宣言解除後の第2波及び新たなウイルスの発生・蔓延を防止するために、県民や事業者に対する協力要請等の根拠となる条例化について検討するなど、県民又は来県者に対する感染防止の普及啓発も含めた「山形モデル」を構築されるよう要望する。
 また、首都圏一極集中を是正し地方の活性化を党是とする我が党にあっては、コロナ危機による経験により、地方そして本県にこそ希望が見いだせる活路があると考える。
 そこで、医療体制の構築・充実を前提としながら、移住、子育て、教育、健康福祉、農業・商工業を中心とする産業をはじめ、各分野において山形の魅力を再確認し大都市圏への情報発信を今まで以上に強力に推進していただくよう大いに期待する。なお、本県東京事務所等を軸とした企業及び教育機関の誘致、UIターン事業への更なる注力もお願いしたい。
 なお、「山形県新型コロナ対策応援金」の使途については、現段階で広範囲に及んでいるため、本県独自の支援をより実効的にするために特化・限定されるよう要望する。

2 広報対策について
 新型コロナウイルス感染症に関する情報は日々目まぐるしく発信又は更新される状況にある。そうした中では、如何に本県(及び国)の政策及び行政サービスが有意義なものであっても、当該情報を必要とする方へ的確な時期に届けれなければその実効性は乏しくなってしまう。
 そこで、例えば、県警本部で導入している「やまがた110ネットワーク」のようなメール配信、又は本県公式のLINEアカウントを開設してのSNS発信など、個人及び事業者が必要とする情報を事前に選別する形で直に入手できるようにするなど、現在のポータルサイトと相乗的に、且つ前例にとらわれない手法にて、広く対象者の目に留まる機会を創出されるよう要望する。

3 感染防止及び健康増進対策について
 飲食業や宿泊業など不特定多数の方々が利用する可能性が高い業種は格別、その他の業種についても、「具体的に事業者が行うべき感染防止対策について一定の基準や具体例を示してほしい」という声を多く頂戴する。この点、国でも業種ごとの感染予防ガイドラインを示しているが、必要とされる感染防止対策及び感染が発生した場合の対応に関して、先の第一次緊急要望でも触れているとおり、本県独自のガイドラインの制定・周知、又は手元で確認できるガイドブックの作成・配布を速やかに行い、段階的な経済活動の回復に遅滞することなく、業種ごとの具体例・対応例を分かりやすく示されるよう要望する(事業者のみならず、利用又は取引される方々への安心感を得ることもでき、仮に感染が発生した場合のクラスター対策にも資するものと考える。)。
 また、上記のようなガイドライン・ガイドブックで示す感染防止対策項目を遵守した事業者を「新型コロナウイルス感染症対策実施事業者(仮称)」と本県が認定し、県内外(国外)の利用者・取引者へPRする制度づくり(本県独自のピクトグラム)も併せ要望する(こうした認定制度と本県又は市町村の支援策を組み合わせて相乗効果を狙うことも可能となり、前述の「山形モデル」の構築に資すると考える)。
 また、学校(特別支援学校含む)や児童施設、福祉施設等では消毒液等の衛生用品が不足しているところがある(例えば、障がいのある児童生徒が通う学校・施設においては、教材や遊具等のきめ細かな消毒作業が欠かせないため、現時点で充足していても使用する頻度・量が多く、在庫切れが常時懸念される)。そのため、「山形県新型コロナ対策応援金」制度の活用、又は県内事業者と窮状を訴える地元の施設とを結びつける枠組みを早期に構築されるよう要望する(行政だけでは行き届かないため、支援してくださる地元企業を募る)。
 さらに、第一次緊急要望でも触れたが、地震や水害による避難が余儀なくされる場合の避難所の運営基準・方法、医療体制等を市町村及び関係機関と連携しながら万全の想定を行い、備蓄品等の整備も充実していただくよう要望する。
 一方で、行動自粛に伴い、心身のストレスや運動不足による健康への影響も懸念される。免疫力の低下は感染リスクを高める恐れがあるばかりでなく健康被害を引き起こす可能性があり、通院及び入院者の増加は医療崩壊を招く要因となる。そのため、健康福祉部で今年度から展開する「健康長寿日本一」の実現に向けた取組みをコロナ対策と併せて実施・推進されるよう要望する。

4 病院経営及び地域医療について
 先般、本県、本県医師会、及び山形大学医学部が感染症対策に関する連携協定を締結したが、今後の医療提供体制の充実に大いに期待する。一方で、県立病院をはじめとした地域の公立病院の経営状況は平時の厳しさに加え、コロナ対応による負担増で更なる悪化が見込まれ、医療法人、開業医等の地域医療機関についても経営悪化が懸念される。この点、新型コロナをはじめとした新型ウイルスとの共生による経済活動の回復は地域医療を含めた本県医療制度が担保されて初めて真に成しえるものである。そのため、医療機関に対する財政支援(家賃等の固定費助成など)、医療資機材等の物資供給支援、新しい設備導入に対する支援など幅広い支援が可能となるよう、更なる国の措置を求めるとともに本県においても同様の支援を実施されるよう要望する。
 また、本県独自の「山形県新型コロナ対策応援金」制度を活用した医療従事者への給付型支援を速やかに具体化及び実施されますよう併せて要望する。
 加えて、県内の医療機関における感染症対策・院内感染防止対策を徹底するために感染症専門医からの指導・研修を積極的に実施するとともに、病床数・人材確保も含めた隣接県との広域医療提携に着手されるよう強く要望する。

5 農業及び水産業支援について
 農業観光シーズンに入れば、観光農園をはじめとした体験型運営事業に多大な影響が及ぶと想定され、実際に、今期の観光農園の開園を見合わせる事業者もある。そこで、前述の感染防止対策と同様、こうした農業観光事業の運営基準を速やかに明示されるよう要望する。
 次に、今後の農林水産物の販売動向は不透明であり厳しい状況が予測される。そのため、国の第二次補正予算編成を注視しながら、県内農業・水産業生産者の支援を要望する。
また、国の国産農林水産物等販売促進緊急対策を活用した学校給食における県産和牛及びさくらんぼの提供等を早期に具体化・実現化し、地産地消及び県外からの需要を高めるよう更に注力をお願いしたい。
 加えて、農畜産物への影響によっては、生産者による持続化給付金をはじめとする各種申請が行われることも想定されるが、収入保険制度への加入の有無、税務申告の種別によっては申請自体に遅滞が生ずる恐れもある。そこで、県、県農業協同組合中央会、各単協、及び関係団体が連携(協定締結等)を密にし、現行の各総合支庁に設置された相談窓口を発展させ、右関係団体等との一体的な相談体制を確立・拡充されるよう早期の準備を要望する(水産業についても同様とする)。
 いずれにせよ、本県の経済活動の浮上には、農林水産業の安定が不可欠であるため、生産者による経営が持続・発展し得るよう、本県独自の支援をお願いしたい。

6 事業者支援及び雇用対策について
 国の持続化給付金申請については、「相談窓口への電話が繋がりにくい」「オンライン申請のため申請方法が分からない」「申請をサポートしてほしい」とのお声を多数頂戴する。そのため、引き続き国への理解を求めるとともに、本県においても手厚い職員配備及び関係団体等との連携により、相談窓口及び体制(例えば、各地域ごとにサポートセンターを設置するなど)の拡充を図られるよう要望する。
 また、雇用調整助成金の交付決定については、申請数全体に対して、低い割合にとどまっている。一方で、県内の社会保険労務士(法人含む)で同助成金の申請業務を取扱いされている実数も決して高いとは言えない状況である。そのため、県社会保険労務士協会との更なる協力関係を構築し、相談・申請体制を拡充されるよう要望する。
 この点、本県おいて、労務管理等が適正に行われていない事業者も少なくないため、コロナ対策を契機に法律に則った勤務環境が実現されるよう働きかけを強めるとともに、各種給付金交付を前提に事後的にでも労務管理等の整備の有無につき確認するなど、一体的な対策を講じられるよう要望する。
 また、テレワーク導入及び働き方改革を推進するための国のIT導入補助金制度や働き方改革推進支援助成金(テレワークコース)制度の活用を促進させるとともに本県独自の支援についても検討されるよう要望する。
 次に、先般の休業要請に伴う県緊急経営改善支援金制度の活用にあたり、休業要請に係る対象事業「以外」の事業者から様々なご意見を頂戴した。例えば、取引業者も多い冠婚葬祭業(とりわけ、冠婚業界は、花・衣装・飲食等について取引業者も多く、春先からは通常であれば繁忙期であり、キャンセル料の取扱いで問題も多い)のように社会生活上必要と判断された業種、同様に休業要請に係らないが濃厚接触が不可欠である理容・美容業やマッサージ業、写真館・フォトスタジオ、塾などでは感染防止対策に協力するため自主的な営業自粛を行った事業者も多い。また、休業要請の対象となった観光地又は観光立ち寄り所での移動販売を行う事業者は、営業が出来ないにも関わらず上記支援金の支給も外されるという状況にある。
 こうした点も踏まえ、本県発出の休業要請及び上記支援金の対象とならない狭間の事業者についても、検証を行いながら配慮を行っていただくようお願いするとともに、スタートアップ・ベンチャー企業等の事業年度が浅いながらも魅力ある事業経営を行っている事業者への支援も要望する。
 また、宿泊施設、飲食店や小売店をはじめとするサービス業を対象とした地域における消費喚起策と感染防止対策がより実効的且つ積極的に推進されるよう、前述の「新型コロナウイルス感染症対策実施事業者(仮称)」と本県が認定し、県内外(国外)の利用者・取引者へPRする制度づくりを重ね要望する。
 なお、マスクの着用は日常生活の一部と化しており、国内のみならず世界的にも通年型の対応が求めれられると考える。不織布マスクの流通回復も予測されるが、夏用の布製マスクの製造等についても山形ブランドが構築されるよう働きかけを要望する。

7 子育て支援について
 「子育てするなら山形県」を標榜する本県にあっては、コロナ危機にある昨今において、その真価が問われると考える。 
 この点、共働き世帯割合(57.9%で全国2位、H30)及び育児をしている女性の有業率(79%で全国4位、H29)が全国的にみて非常に高いことが本県の特徴であるため、子育て世帯の負担軽減に向けた給付型又は減免型の支援を国の支援も踏まえ一層拡充されるよう要望する。また、低年齢の子どもだけでなく、教育資金の負担が大きくかかる学生(県内出身者含む)や高校生のいる世帯への支援も検討していただくようお願いしたい。 
 加えて、第一次緊急要望でも触れたが、妊婦への配慮について関係部局との連携により事業者側に更に理解を求めるとともに、三世代同居世帯以外の夫婦について感染が確認された場合の対応についても引き続き準備をお願いしたい。
 また、子どもの居場所づくりについては、とりわけ、子ども食堂等の休止に伴い、通所する子どもの現況が見えにくい状況が継続しているため、段階的な再開に伴い、子どもの居場所づくりサポートセンターを中心に情報をきめ細かく収集されるよう要望する。更に、子ども食堂等の運営事業者・個人に対しては、感染防止対策のための物資供給及び財政支援をはじめ、コロナ対応のための柔軟な支援を併せ要望する。
 加えて、前述の第一項で触れた情報発信の強力な推進においては、本年度新規の事業である「やまがた若者応援大使(仮称)」による県内若者活躍や山形暮らしの魅力の県外発信、並びに若者目線の「やまがた暮らし」をテーマとした動画制作及び同世代に向けた情報発信についても、コロナ危機を経験した教訓を活かし、当初の想定に工夫を凝らしていただくようお願いしたい。

8 観光対策について
 吉村知事のリーダーシップのもと実現された「東北・新潟緊急共同宣言」と同様に、段階的な経済活動の回復に向けて、県外の往来について、東北六県又は新潟県(新潟・庄内DCでも所縁がある)を加えた圏域での往来の再開に向け、共通の感染防止対策や医療提携(前述)等を前提に、速やかに検討・準備されるよう要望する。
 この点、前述のピクトグラムの活用等を上記圏内共通に展開し、圏内外(国外)からの将来的な往来及び利用・取引に向けて準備を進めることも本県の経済浮上に資すると考える。
 また、「県民泊まって応援キャンペーン」によるクーポン発行事業等の申請状況をみるに、県民の反応は上々といえる。これを機に、地元の自然・歴史文化(精神文化)等に見聞を深める旅行商品開発の助成やそれに伴う交通事業者への支援に加え、三密を回避できるサイクリングツーリズムのための環境整備を関係部局と連携しながら推進されるよう要望する。
 いずれにせよ、インバウンド戦略が機能不全に陥っている今こそ、県民の県民による県民のための内需・消費喚起策を一層講じていただくよう期待する。

以上